学生宣言
どんなに大きな、あるいは恐ろしい嵐の終わりにも、沈黙の時を迎えるとき、私たちには、いったん立ち止まり、振り返り、激動の中で起こった出来事や行われた行動を評価する機会が与えられる。3年間続いた前例のない世界的な現象から抜け出す中で、この3年間Covid-19対応の嵐に巻き込まれた私たちアメリカ、カナダ、そして世界の学生代表は、そのような機会が与えられた今こそ、真摯に反省することを促す。
私たちは、マスク、ワクチン、自宅待機の義務化は、その利点によって正当化されると言われたが、これらの義務化が引き起こした驚くべき被害を考慮すると、今日、このような義務化を正当化することはできない。学生の一人ひとりが明らかに心理的代償を負い、仲間、教授、大学事務局から強制に従うようプレッシャーをかけられ、1年以上他人との接触を拒否された多くの学生は、意に反して医療上の強制措置を受け入れざるを得なかった。医学的或いは個人的理由によりワクチンを接種しないことを選択(真に民主的な社会において個々人が所有する選択権)した者は、社会的に嘲笑され、隔離され、非難され、奨学金、学業や社交の機会、仕事やインターンシップ、医療の自主性とプライバシー、友人や家族と会う機会、自由で検閲のない言論の場、そして思いやり、尊厳、共感という最も基本的な人権を失った。ワクチンによる被害を被った者は敬遠され、排除された。彼らの体験談は抑圧され、私たちのインフォームド・コンセントの権利は存在しなかった。そして世界中の大学キャンパスで、対話が奨励されるべき時に、かつては真実や深い思考、批判的思考が公言されていた教室で、全ての会話が封じられた。学生たちは、良い(とされている)ことをするため、あるいは利便性のために身体的・精神的自由を放棄し、その代償は一時的なものだと信じ、代わりに自己の整合性を犠牲にした。恐怖が横行するようになり、その混乱の中で多くの人が恐怖を正義と勘違いした。私たちの同情心は操作された。盲目的な狂気に取り憑かれた多数派だけが、どんなに小さなコミュニティであっても、その一部を分断し傷つけることが正義であると自らを納得させることができたからだ。Covid-19のパンデミックとして知られるこの時期に失われた、あるいは抑制されたさらなる自由のリストは、ここで十分に列挙するには広範囲すぎる。
現代のアカデミアとアカデミック・リーダーが、自由で開かれた議論へのコミットメントを放棄し、理性や常識ではなく、恐怖が支配することを許してしまったことは明らかである。理性的な思想の自由を取り戻さなければならない。そのためにはまず、思想の泉の真髄である大学の原則を取り戻さなければならない。対話は、すべての教育機関の基盤でなければならない。問題意識は奨励されなければならず、考え方の相違は考慮されなければならず、個人の繁栄は認められ集団の利益よりも優先的に評価されなければならない。平和な時だけの価値観へのコミットメントは、コミットメントではない。そして、私たちは大学のモットーに立ち戻らなければならない: Veritas(真理)。Lucem sequimur(私たちは光に従う)。Die Luft der Freiheit weht(自由の風が吹く)。そして何よりも、γνῶθι σεαυτόν(汝自身を知れ)。プラトンのアカデメイアの古代アテネの広間は、これらの原則を理解していた。バグダッドの「知恵の家」の中世の黄金の城や、ボローニャのヨーロッパ最初の大学の基礎は、これらの約束を裏付ける。この神聖な教育機関の継承者である私たち学究の皆さん、今こそこのルーツに立ち返る時なのだ。ベトナム戦争に抗議し、天安門で民主主義のために立ち上がり、第二次世界大戦のさなかにドイツで国家社会主義の台頭を非難した学生たちの跡を継ぐ同志の皆さん、自分が何者であるかをもう一度考えて欲しい。自らが宣言した信念を貫くだけの勇気をどれだけ持っているか?私たち個人の高潔さが、利便性や集団の安全へ傾向する私たちの気質よりも大きくなって初めて、自由と人間性を支持する方向にバランスが再び傾くだろう。
私たちは、2023年の学生として、生来の権利を行使して懸念を表明し、同じような事態を二度と起こさないという共通の目標に向かって団結し、ここに宣言する。正義へのコミットメントを裏切った世界を3年間経験してきた私たちは、自由意志と自由の精神に基づき、現在も将来も、強制されることのない選択の自由と十分なインフォームド・コンセントの権利無くして、マスク、ワクチン接種、自宅待機を求めるいかなる義務にも従わないことを強く誓う。私たちは、私たちの世代とそれに続く世代を癒し、回復させなければならない。明日の世界を担う学生たちは、私たちにこのことを期待している。私たちの勇気を再び、英知に代わって、真実と高潔さの名のもとに捧げよう。
Translation by anonymous academics from Okinawa, Japan.